新装版・名草戸畔〜古代紀国の女王伝説

| タイトル | 新装版・名草戸畔〜古代紀国の女王伝説 |
|---|---|
| 著者 | なかひらまい |
| ISBN | 9784905273264 |
| 分類 | 単行本 |
| 判型 | 四六判 |
| 頁数 | 320p |
| 定価 | 2100円+税 |
| 書店 | 本書の自動配本はありません。書店でご購入の方は必ず最寄りの書店でご注文ください。 |
| Amazon | https://amzn.to/48hV5CL |
| ECサイト | https://mainakahira.base.shop/ | 概要 | 和歌山市・名草山の麓で出会った郷土史家・小薮繁喜さんとルバング島から生還した小野田寛郎さんから千年以上伝わる伝承(口伝)を採集。神武軍により頭と胴体と足を切り刻まれ埋められたと言われる謎の女王・名草戸畔(なぐさとべ)の正体とは?筆者が5年にわたり、全国を飛び回り、各地の郷土史や伝承から導き出した女王伝説に、あらたにニシキトベの項目を追加して、新装版として出版。神武東征の謎にも迫る歴史ミステリー。 | 内容 | 【名草戸畔伝承とは】名草戸畔伝承とは、名草地方(現在の和歌山市と海南市)で語り継がれてきた古代の女王・名草戸畔(なぐさとべ)の伝説です。名草戸畔とは紀国(きのくに/現在の和歌山県)におよそ2千年前に実在したと思われる女性首長のことです。『日本書紀』には、ひと言だけ、「神武に殺された」と記されています。土地には、名草戸畔の遺体を、頭、胴体、足の3つに分断し、3つの神社に埋めたという伝説もあります。多くの人は、名草戸畔は神武あるいは神武軍によって、遺体を切断されたといいます。ところが名草地方では、一般的に語られていることとは違う伝承が残されていました。「名草戸畔は戦死はしたけれど、神武に殺されてはいない」。それは郷土史家・小薮繁喜さんと、海南市の「宇賀部神社(うかべじんじゃ/通称=おこべじんじゃ)」宮司家出身・小野田寛郎さんが土地の伝承や「口伝」によって伝え聞いてきた物語でした。土地に息づく伝承は、王権が作った『日本書紀』とは違う、名草の民の視点の物語でした。小薮さんと小野田さんは、幼い頃からこの伝承を聞いて育ち、自分たちを遠い昔の名草戸畔の子孫と信じて生きてきました。伝承や口伝には、史実かどうかの問題ではなく、その土地に暮らす人たちの「大切な思い」が詰まっているのです。この本では名草の人たちの思いを紐解きながら、そこから見える古代日本の風景を描いてみました。この本を通して、最後の伝承保持者の2人の心のなかにある名草戸畔に触れてもらえたら幸いです。 【新装版について】2010年12月に初版を発売してから13年の歳月が流れた23年12月、またしても不思議な出会いにより、丹敷戸畔(にしきとべ)の口伝の断片を採集しました。新装版では、丹敷戸畔についての原稿を少しだけ加筆し、発行させていただきます。文書に書かれることなく、口伝により残されてきた「生きた伝承」を末永く世に伝えていくことができれば幸いです。 |
| 目次 | 第一章 謎の女王と里の伝承 プロローグ/旅のはじまり/物語を探せ/名草戸畔の基礎知識 /遺体を切断された名草戸畔/名草王國の盛衰 /名草の里へ/伝説の神社/名草山の奇跡/小薮繁喜氏と名草戸畔 /演劇「名草戸畔」/名草山と中言神社/「小薮台本」は伝承か、創作か?/名草戸畔は男か? 女か?/名草戸畔研究の限界 第二章 小野田寛郎氏が語る名草戸畔伝承 プロローグ/小野田寛郎氏と名草戸畔/神武東征のあらまし/小野田寛郎氏インタビュー/口伝に残された庶民の歴史/全国各地に残された口伝/小野田家と宇賀部神社の歴史/名草戸畔の足跡~そのはじまり/名草戸畔、木国から紀国へ/出雲族との融合/イタケルとの融合/神武軍との戦い/熊野へ進軍した神武軍とその後のヤタガラス ナガスネヒコの終焉と紀氏の台頭/『日本書紀』の成立と名草戸畔/名草戸畔の死と生/名草戸畔年表/丹敷戸畔(にしきとべ)の口伝の断片 第三章 名草戸畔としあわせの女王 プロローグ/「小野田口伝」の地を訪ねて/名草の山信仰/名草戸畔と楠信仰/名草戸畔と竜蛇信仰/名草戸畔と祖霊信仰/名草戸畔は生きている 名草戸畔の取材を終えて 名草戸畔 顛末記/ 名草戸畔伝承から見えてきたこと(増補改訂版より収録)/ 丹敷戸畔伝承(新装版より収録) 付録 演劇『名草戸畔』台本(増補改訂版)/紀氏関連の系図 |
著者紹介 | 作家/イラストレーター/ユング心理学研究会理事/多摩美術家協会会員。2005年2月『スプーと死者の森のおばあちゃん〜スプーの日記〜』(トランスビュー)で作家デビュー。以後シリーズ3部作を発表。2010年12月、和歌山の伝承研究本『名草戸畔 古代紀国の女王伝説』(スタジオ・エム・オー・ジー)を発表。2018年11月には増補改訂3版をリリース。2019年11月、毎日新聞大阪本社版にて連載していた童話『貝がらの森』(スタジオ・エム・オー・ジー)を加筆修正して出版。2021年10月『波の地図』(雷鳥社)原田佳夏氏と共著で出版。現在、創作童話『宙の猫島』を毎月ウェブ連載中。https://note.com/7cats/ |







